夏前になると蛍を見に水辺などに行く方も多いですよね(*´ー`*)ノ。
子供の頃の記憶で「蛍の寿命は短いからね。捕まえずに放してあげようね。」と親に言われた経験がありますが実際どのぐらいの寿命なのか知っていますか?
今回は蛍の寿命は何日?また寿命が短い理由とホタルの生態も調べてみましたのでお伝えします!!
蛍の寿命は何日?短い理由は2つ!!
蛍の寿命は成虫になってから約2週間(10日~15日)程度の寿命になります。やはりとても短いですよね(*_*)
その理由として…
- 1.口が退化してしまっている事
- 2.蛍の住める自然環境の影響
の2点が考えられます。
順番に見ていきましょう。
蛍の寿命が短い理由1.口が退化している事
蛍の寿命が短い理由は成虫になると口が退化して水分しか補給出来ない為です。
蛍は水の中で過ごす幼虫の時は、タニシやカワニナ・川の土の中の栄養分などを食べて栄養を取っています。
しかし…成虫になると口が退化してしまっていてエサを食べることが出来ません。草についた水滴・雫や湿度が高い所で蒸発する水分を取り込むことぐらいしか出来なくなります。
…ですのでホタルの成虫は幼虫時代に体内に蓄えた栄養が尽きれば、力尽きて死んでしまいます。口に出来るのが水だけだとやはりそうなりますよね…(*_*)。
飼育下で育て「砂糖水」などの栄養を与えると寿命が数日程度長くなったというケースもあるようなのでホタルの寿命と栄養との関連は多少あるようです。
蛍の寿命が短い理由2.蛍の住める自然環境の影響
上記の「成虫のホタルは水しか飲めない」とも関係しているのですが…蛍は綺麗な水辺でしか生息出来ません!!
なので川が汚れていたり、川岸のコンクリ―ト工事などで人工の手が加わると蛍にとって生活しづらくなり寿命は更に短くなります。また外的要因として天敵のクモに捕食されたり、大雨や台風、天候が荒れるなども、蛍の寿命が更に短くなる原因となります。
(田舎育ちなもので…)子供の頃は川に行けばあちこちで蛍の姿が見れましたが、最近ではそういった所も少なくなったのを私自身も実感しています。
最近では「蛍にとって住みやすい自然環境が守られるように」地域一体となって取り組まれている自治体もあります。
住民の方の協力「大変だろうな…」「すごいな…」と感心させられました。私自身が出来ることは少ないですが子供達や後世にもホタルが見られるように、出来る行動や意識についても自分で考えたいなと思いました。
ここまで成虫の蛍の寿命について見ていきました。成虫のホタルの寿命は約2週間です!!
ただ幼虫の時も合わせると寿命はもう少し長くなるんですよ。。
蛍の本当の寿命はどのぐらい?
蛍は卵から成虫になるまでの約1年間は水の中で過ごしているんです。
つまり本当の蛍の寿命としては約1年間になります。
日本にいる代表的なホタル(ゲンジボタルやヘイケボタル)の生まれてから死ぬまでの一生を見ていきましょう。
- 5月下旬から6月下旬頃に一斉に飛び交って交尾をします。
- メスは交尾から4~5日後にコケなどに産卵します。メス一匹で約400~500個の卵を産みます。
- 6月下旬~7月下旬頃の約1ヶ月後に卵から孵化します。
- 7月下旬~翌年3月頃の約10ヶ月間、水の中で幼虫として過ごします。この間はタニシやカワニナなどを食べ計6回ほど脱皮します。
- 4月下旬頃、水中から上陸し土の中に潜り、土で繭(まゆ)を作り、体を覆い約1ヶ月間過ごします。(繭の中では幼虫から成虫になる為の準備が行われています。)
- 5月頃、そのままさなぎになり約2週間後に、さなぎから成虫になります。
- そして5月下旬頃、土の中から地上へ出てきます。ここから約1~2週間生きます。
また「次の世代が生まれる」の繰り返し・・・
蛍は成虫になってからのこの約1~2週間の間に、次の子孫を残すために飛び交い交尾をして、オスは交尾をすると死んでしまいメスは卵を産んだ後に死んでしまいます。
このように蛍は6月頃に卵として生まれ約10ヶ月間は幼虫・さなぎとして生き、約1年後に成虫となったあと約2週間ほどで命が尽きてしまいます。やっぱり儚いですね…。
蛍が光る理由は…
成虫の蛍が光っている理由としては…
- 求愛・コミュニケーション
- 刺激を受けた時
- 外敵への威嚇
などの意味があります。
人間が蛍を触った時などに光るのは刺激を受けた為に光っています。
そして私たちの目を楽しませてくれる幻想的な蛍の光のほとんどは、ホタル同士のコミュニケーション・パートナー探しで光っています。
葉っぱに留まって弱い光を出しているのがメスで、メスよりも強い光を出しながら飛び交っているホタルはほとんどがオスです。
ちなみに…蛍は卵や幼虫の時も光を放っているんですよ!!
ホタルの幼虫のことを「水ボタル」と言います。
この呼び名は、江戸時代に蛍の調査をしていた人が「水の中にいる時幼虫の時にも光を放つ習性」を見て「水ボタル」と名付けたのがきっかけだそうです。
- 蝶々の幼虫は「あおむし」
- トンボの幼虫は「ヤゴ」
- 蛍の幼虫は「水ボタル」
という具合です。
ただし卵や幼虫の時に光る理由は外敵から身を守る為に光っているようで、成虫の時とは目的が少し違うようですね。成虫の時はコミュニケーションにも使っているので・・・。
まとめ
今回は蛍の寿命は何日?短い理由は…というテーマでお伝えしました。
- 蛍は卵から成虫になるまでに約1年間水の中で過ごし
- 成虫になってからの寿命は約2週間です。
蛍の寿命が短いと言われるのは「成虫の時の寿命の事」を言っていてまたなぜ成虫の時の寿命が短いかと言えば「成虫になると口が退化し水分しか摂取出来ない為」です。
飛んでいるホタルに「ほーほーホタル来い!こっちの水は甘いぞ~」と歌ったことありませんか?(←もう今では言わないのかな…。)
まさに成虫のホタルは水しか飲めないので、こういう歌詞になっているんですね…(´・_・`)。
私たちが「綺麗だねぇ。幻想的だねぇ。」と蛍の鑑賞をしている時は・・・
実は蛍にとって「残りラスト1~2週間の大切な命」である訳なので「やっぱり捕まえたらいけない!!」訳ですね…(*-ω-)
それでは・・・夏のはじまり!ホタル観賞を楽しみましょう!!